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Elysion~楽園幻想物語組曲~ エルの楽園[→Side E→]

Elysion~楽園幻想物語組曲~
[01.エルの楽園[→Side E→]]

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エルの絵本 【笛吹き男とパレード】]

[09. エルの絵本 【笛吹き男とパレード】]

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未編集

―そして歴史だけが残った・・・

「ははは」
「待てよーヴィル!」
「遅いよ兄さん」
「待ってよ、おにっ」
「いたっ、うえーん」
「あはは」
「ごめんよルーイ、痛かったなぁ」
「おい、井戸んとこに何か落ちてる」
「お前なー」
「おわっ」
「えっ」
「うわっ」

『Das Marchen des Lichts & Dunkels』

「そこ、足元に気をつけて」
「うん」
「大丈夫?怖くないかい」
「ええ、それより私、今とてもドキドキしているわ。
だって森は、世界はこんなに広いんですもの!」
「じゃあ、今日はとっておきの場所を教えてあげるね」
「行こう!」
「うん!」
「あはは、あはは」
「うふふ、ふふ」

「うわああああああ」
「drei...zwei...eins...」

見上げれば丸い夜空 揺らめく蒼い月夜
神の名を呪いながら 奈落の底で唄う・・・・・・


盲(めし)いた闇で彼が 光だと思っていたのは 誤りで
その温もりの名は 愛だと 後に知った

初めての友達は 碧い瞳(め)の可愛い女の子(ミ・メルヒェン) お別れさ
その切なさの名が 恋だと 遂に知らず


花に水を遣るように 儘 罪には罰が要る 嗚呼
やがて《迎宵(グーテン・アーベント)》 疾しる《第七の物語(ズィーベン・メルヒェン)》
摂理(かみ)に背を向けて―

「drei...zwei...eins...」

見下ろせば昏い大地 揺らめく紅い焔尾(ほのお)
母の瞳(め)に抱かれながら 奈落の底へ堕ちる・・・・・・

「寂レタ村 マルデ墓場ネ ウフフ」
「エリーゼ 童話は、何刻だって墓場から始まるものさ・・・」 

<何故 コノ村ニハ 今 誰モイナイノ?)
(――其れは 昔 皆 死んじゃったからさ>

<ジャ...何故 昔 村人 皆 死ンジャッタノ?)
(――其れは 黒き 死の 病 のせいさ>

<ジャ...何故 ソノ森ノ 村ニ 母子ハイタノ?)
(――其れは 或の【イド】が 呼んだからさ>

<ジャ...何故【イド】ハ 何ノ為ニ 人ヲ呼ブノ?)
(――其れこそが 奴の本能だからさ>


嗚呼 墓穴(はかあな) 掘っても...
必死に掘っても キリがない
「悲惨な時代さ」

嗚呼 死体と土塊...肢体と土塊...屍体と土塊
【多層菓子(ミルフィーユ)】
「無残な事態さ」


生命の目的
→《生キル事》
→《増エル事》

『殺セ』『侵セ』
【イド】は唄う

「増エスギテモ 結局宿主ヲ殺シテシマウノニネ ウフフ」
「人と大地の関係と同じさ さあ 物語を続けようか」


【仄暗き宵闇の森】 Der Wald der Abenddämmerung

「おい、Hans、ほんとにこっちでいいのか」
「さあなー俺だって知るかよ」
「たくよー、気味の悪い森だぜ」
「お!トゥーン/トニー、あのガキ、噂のThüringenの魔女のガキじゃねーか」
「ひょー、こいつはツイてるぜ」
「「なっ」」

夜霧に濡れた 苔藻(こけ)を踏み鳴らす 少年の
その足取りは 哀しい程に軽く 少年を

「「もし坊ちゃん」」
「あっ」
「われわれは賢女殿に用事があってやってきたのですが」
「坊ちゃんにご一緒させてもらってもよろしいでしょうか?」
「もちろん、かまいませんよ」
「それでは僕が母の元へご案内いたしましょう」
「「Danke schön」」
「くひひっ」

呼び止めた声は 下卑(げび)た響きで されど彼はまだ知らない
嗚呼 世界の作為など 世間の悪意など 何ひとつ触れぬまま育ったから

友達を抱いたまま → 招かざる客を連れ → 優しい母の元へと → そして...



見渡せば

【イド】

鳥に羽が有るように 儘 夜には唄が在る 嗚呼
いずれ《迎暁(グーテン・モルゲン)》 染まる《薔薇の庭園(オゥゼン・ゴルデン)》
摂理(かみ)を背に受けて――

「キミが今笑っている、眩(まばゆ)い其の時代に。
誰も恨まず、死せることを憾まず、必ず其処で逢おう」

~「光と闇の童話(メルヒェン)」

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